母方の祖父母は、私が小学校を卒業するまで徳島に住んでいた。そこで、毎夏、私たちは阿波踊りを楽しんでいたのである。そんな思い出の阿波踊りが、三鷹でお祭りとして開催されると言うのだ。しかも、たまたま両親が遊びにきている間に。不思議な縁を感じずにはいられない。
母は中学3年の時に徳島に祖父の転勤でゆき、結婚するまで7年間を過ごした。その後私と妹が生まれ、赤ちゃんのときはもちろん(私と妹は徳島で里帰り出産にて生まれている)、学校に上がってからも夏休み、冬休みのすべてをほぼ徳島で過ごした。父も、実の母が早くに亡くなっていたため、母方の祖父母の家を本当の実家のように思っていたようで、すでに徳島で休みを過ごしている私たちを追って、仕事が休みになると車で飛んできていたものだ。徳島では、里帰りの人を迎えるのを待ってか、お盆の間に行われる。テレビを見ながら妹と二人で「やっとさー、やっとさー」という声をかけてもらいながら、踊ったものだ。
今日は、その日がついこの前だったかのような気分にさせてもらえた、三鷹での阿波踊り。お囃子の音がきこえ、掛け声が聞こえてくる。母など駆け出しそうな勢いだ。なかなか良い席が知らぬうちに確保でき、しばらく思いでと現実との狭間で、踊りを堪能した。
「踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損々」
ちなみに、何故、東京で「阿波踊り」なの?という問いには以下のサイトが教えてくれた。http://db.g-search.or.jp/sideb/column/20040916.html
もともとは、昭和32年に高円寺にて開催されたのが、東京で開催された第一号だったそう。商店街の振興のために何か良いものはないか、ということで採用されたのが阿波踊り。それが、だんだんと中央線沿線の駅に浸透していったようだ。いろんな地方から人が集まる東京。他の地域の文化を取り入れることもそう難しい問題ではなかったようだ。
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