家路についた金曜日の夜。茂寄りの駅におりたったら、オレンジ色の半月がみえた。
夏の終わりのすこし生暖かい風が吹いてる。
ロータリの歩道橋の上で、外国人が灯篭のようなものを売っている。たまに見かける風景。
彼は灯篭の中に1つずつ、ゆっくりと、丁寧にろうそくの灯りをともしてゆく。
オレンジ色のろうそくの灯りがゆらゆらと揺れ、半月と調和している。夏の終わりらしい風景。
何だか切ない気持ちになる。暖かいオレンジ色の灯りが家の灯りに見えたから。
早くお家に帰りましょう。灯篭を打っている彼にも暖かいオレンジ色の灯りの家がありますように。